村山■　そうですね。今までの 『サカつく』 にもライバルクラブの存在はあったけど、個性が薄いかなと思っていました。 『サカつく』 はユーザーさんがストーリーをつくるゲームでもあるので、あまりストーリーを持たせすぎてはいけないと思っていたんです。

でも、ライバルというのは実際のサッカー界、スペインでもローマでもダービーという形であるじゃないですか。Ｊリーグでも。世界中、どこにでもある。だったら、もう少しダービーという形をピックアップしてもいいんじゃないか、と。どうせピックアップするなら、ちょっと憎らしくてライバル心をかきたてるようなキャラの方がいいよねってことで 「油野茂一」 が誕生したんです。

——ライバルクラブの代表として登場する油野茂一は、かなり強烈なキャラクターを持っていますよね（笑）。

村山■　どうなるのか自分でも不安なところはあったんですが、実際に入れてみたら 『サカつく』 のテイストというか、ノリにはまってきたんです。ターンを進めると、ちょこちょこ登場するライバル代表・油野茂一が、いい感じで憎らしい（笑）。ライバル心をかき立てるにはちょうどいい感じになったかな、と。

——確かに油野茂一のおかげで、ダービーマッチがすごく楽しみになりました（笑）。

村山■　そうそう。自分のクラブがフランチャイズしている都市のすぐ近くにライバルクラブもフランチャイズするので、必ずダービーマッチが発生するんです。ちなみにダービーマッチの時には、特殊なイベントが起こることもありますよ。

——登録選手に関しても、また増えているということですが。

村山■　はい。イタリア、イングランド、オランダ、スペイン、ドイツ、フランスに続き、今回はブラジルとポルトガルの選手が実名化しました。今、ポルトガルのクラブは勢いがありますからね。今回はリーグが回せるくらいにクラブ数も増えています。また、木村和司さん、水沼貴史さん、反町康治さん、 都並敏史さんなど、33人のＪリーグOBが登場します。

——登録選手数が約12000人ということで、今回新たに加わった 「選手検索機能」 は利用する人が多いんじゃないでしょうか。ところで、どうして今回、この機能を入れようと思ったんですか？

村山■　 『サカつく３』 の時に、クラブから直接選手の交渉ができるようになって、何年か移籍を繰り返すと、選手がどこに行ったかわからなくなる。大物に関してはPC画面でのニュースに載るようにはしていたんですが……。

『サカつく３』 の開発が終わった時に、いちど客観的に見てみようと思ったんです。すると、今まではシリーズを続けてやっている人には当たり前のことでも初めてプレイする人にはわかりにくい部分があったというわけなんです。

もちろん選手名で検索というのが一般的だけど、年齢やポジションで絞り込むのも使い勝手がいいですよ。

村山■　そうですね。ショートカットやヘルプの機能を入れるなど、インターフェイスの向上には、かなり気を遣いました。手を入れてないところはないくらいです。

『サカつく３』 の開発が終わった時に、いちど客観的に見てみようと思ったんです。すると、今まではシリーズを続けてやっている人には当たり前のことでも初めてプレイする人にはわかりにくい部分があったというわけなんです。

村山■　最近はサッカーを取り上げるメディアも増えてきましたよね。例えばＣＭにもサッカー選手が起用されることが多くなってきましたし、Ｊリーグが始まった頃のブームとは違って “広がって” きている。サッカーに詳しい人も、サッカーマニアも増えていますよね。と同時に 『サカつく』 で、“サッカー” を覚えてくれた人も多い。 『サカつく』 のなかには、サッカー業界のさまざまなものがつまっているんです。

そんな時流の中で 「あぁ、サカつく、サッカーわかってないな」 なんて言われたくない。日本のサッカー界の進歩と合わせて 『サカつく』 も進歩していかなければ！　と思っています。▲

次週の 「ＳＥＧＡ VOICE」 は７月８日（木）更新！
『サカつく'04』 ２週目は、試合シーンに登場する実況ナレーションをまるごと担当した、プランナーの福永僚太郎が登場！
おなじみ実況の八塚浩氏、今回初登場した解説の木村和司氏らとの録音裏話や、シナリオに隠された秘密などなど、読めば、 『サカつく'04』 が５倍はおもしろくなること請け合い！