Vol.73
07.12.13 更新
12月13日発売のWii『ナイツ〜星降る夜の物語〜』。名作の呼び声も高い、セガサターン版の前作から11年の時を経て、あの夢の世界を完全新作で楽しめることになりました。他では味わえない、縦横無尽に大空を飛び回る爽快感と、バラエティ豊かな遊びが楽しめるこのタイトルについて、飯塚隆プロデューサーにメールインタビューを行いました。

セガ・オブ・アメリカ
『ナイツ〜星降る夜の物語〜』プロデューサー
飯塚 隆(いいづか たかし)
1992年セガ入社。『ソニック・ザ・ヘッジホッグ3』『ナイツ』の企画を担当。『ソニックアドベンチャー』『同2』『ソニックヒーローズ』『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』でディレクターを務める。現在はサンフランシスコにあるセガ・オブ・アメリカに拠点を置き、最新作『ナイツ〜星降る夜の物語〜』ではプロデューサー兼ディレクターを務める。
『ナイツ〜星降る夜の物語〜』について教えてください。
[飯塚]
『ナイツ』11年ぶりの完全新作がWiiで登場します。
「空を飛ぶ爽快感を追及」という前作のコンセプトをそのままに、本作ではWiiリモコンを使った新しい操作感覚や、バラエティ豊かなエクストラミッション、異なる飛行を楽しめる「ペルソナ変形」やニンテンドーWi-Fiコネクション対応など、様々な新規要素を追加して大きく進化しました。
前作の”勇気”に代わる、本作の物語のテーマは“家族愛”です。
幼い少年(ウィル)と少女(ヘレン)が、夢の中で出会ったナイツとともに、夢の世界を救う冒険を繰り広げながら、家族の絆をもう一度見つめなおすという物語になっています。舞台となる夢の世界は、美しく楽しい「ナイトピア」と、恐ろしくも色鮮やかで不思議な悪夢の世界「ナイトメア」から構成され、夢の世界ならではの、不思議で楽しい仕掛けが満載されています。
さらに、前作の遊びに近い「チェイスミッション」をはじめ、川下りや少年少女だけでクリアするミッションなど、飛行だけではないバラエティ豊かな30を超えるミッションが楽しめます。
1つ1つのミッションが、ニンテンドーWi-Fiコネクションを通じてワールドランキングに登録できるので、世界中のユーザーと競いあいながら長く楽しむことができます。
それと、前作でも好評だったA-LIFE(人工生命)システムも更に進化しています。 今作では、プレイヤーだけの夢の庭であり、A-LIFEたちの憩いの場である「マイドリーム」を用意し、A-LIFEたちと時間を気にせずゆっくり交流することができます。ゲームソフトとして初めて、Wii本体に実装されている「お天気チャンネル」に対応し、プレイヤーが登録している地域の“現在の天気”が、“マイドリーム”にも反映されます。天気や気温によって変化するA-Lifeたちの行動や容姿変化が楽しめるわけです。 さらにこの「マイドリーム」もニンテンドーWi-Fiコネクションに対応し、ネットワークを通じて世界中のユーザーと一緒に遊びながらコミュニケーションすることができるなど、Wiiの持つ様々な機能を最大限に活用しています。

▲主人公の少女・へレンが最初に訪れるナイトピア「アクアガーデン」は不思議な海底の楽園。ナイツとデュアライズ(同化)することで、限られた時間だけ美しい夢の空間を飛びまわることができる。

▲悪夢の世界・ナイトメアの住人である、セカンドレベルのナイトメアン(ボス)「ボマンバ」。魔力を使って増殖させた黒ネコたちを使ってビジターを怖がらせる。油断すると黒ネコたちがナイツに飛びかかる!
本作の特徴となっている、「ペルソナアクション」と「マイドリーム」について、構想をお聞かせください。
[飯塚]
「ペルソナ」はゲームを進めることで手に入るパワーアップアイテムのようなもので、入手後は「ドルフィン」「ロケット」「ドラゴン」と飛行タイプの違う3つの姿にいつでもワンボタンで変形できるようになります。「ドルフィン」は水中を泳ぐことができ、「ロケット」は爆発的な加速力、「ドラゴン」は風の抵抗を受けないといった特殊能力を楽しむことができます。一度クリアしたミッションでも、ペルソナの使い方次第で自分だけの攻略法が編み出せるというわけです。
「マイドリーム」は、ゲーム開発者ですら予測できない進化を遂げるA-Lifeというシステムを、地形にも反映させた小さな夢の空間です。「マイドリーム」に生息するA-Lifeたちによって、大きな山ができたり、深い池ができたり、草木の色が変わったり、さらにBGMまで変化するなど、十人十色の「マイドリーム」を創り上げることができます。これら「ペルソナ」も「マイドリーム」も、長く『ナイツ〜星降る夜の物語〜』を楽しんでいただけるための工夫なのです。

▲新アクションのひとつ「ペルソナ変形」は、宝箱から手に入れる「ペルソナ」という仮面を装着することで可能に。それぞれの形体に応じた特殊な能力を使うことができる。写真はその一つ「ドルフィンナイツ」。

▲「マイドリーム」は夢の世界の生物・A-LIFEたちの憩いの場。ナイトピアにいるA-LIFEを、パラループを使って転送できる。「お天気チャンネル」に対応したことで登録された地域の現在の天気が反映される。
本タイトルの企画立ち上げの経緯を教えてください。
前作から11年という年月を経ていますが、なぜこの時期のリリースとなったのでしょうか。
[飯塚]
”親子”をテーマに『ナイツ』の新作を作りたいという構想はずいぶんと前からありましたが、実際にそれをゲーム企画として考え始めたのは2年ほど前からです。続編を望むファンの声に応えたいという気持ちはつねに持っていましたが、「ソニック」フランチャイズの充実という使命もあったので、なかなか実現することができませんでした。家族みんなで楽しめるWiiというプラットフォームが発売された今、『ナイツ』を再デビューさせるのに絶好の機会だと思ったのです。
多くの方から期待が寄せられている分、プレッシャーを感じることもありましたが、それ以上に『ナイツ』を再び開発できることの喜びのほうが大きかったので、楽しく作らせていただきました。
本作品を開発するにあたって、特にこだわった点は?
[飯塚]
11年という時が経っていますから、ハード面でもソフト面でも当時からは大きな進化を遂げています。当然『ナイツ』というゲームも全く違うものに進化させる可能性もあったわけですが、本作ではあえて当時のゲーム性を残しつつ、より気持ちいい飛行アクション、よりバラエティ豊かな遊び、より深い物語の構築などに進化のフォーカスを向けました。11年前、私たち当時の開発者たちが夢の中で思い描いたナイツというキャラクターとその世界観を、ハードウェアの進化と技術力で蘇らせたかったのです。もちろん、ナイツ初心者の方にも楽しんでいただけるよう、物語の導入やチュートリアルなど、ユーザーフレンドリーな作りにも気を配りました。

▲12歳の少女ヘレンは母親と親友のように仲がよく、特に母親の教えるバイオリンが大好きだった。しかし社交的な彼女が次第に母親から離れ、古風なバイオリンからも距離をおくようになると、毎晩悪夢をみるように…。

▲悪夢に追われ、「夢の入口」にたどり着いた少年ウィル。彼の前に突然現れたナイツは、デュアライズ(同化)すれば自由に空を飛ぶことができるという。ウィルは期待と不安を抱きながらナイツと手を合わせる。
本作品を開発するにあたって、特に苦労した点は?
[飯塚]
アクションゲームのステージ構成というのは、ユーザーにクリアすべき障害物を与え、それを達成できて始めてその先へ進めるようになるというのが一般的かと思います。それに比べ『ナイツ』の場合は、「不快な障害物は一切排除」というのが基本なんです。つまり、通常のアクションゲームの定石が一切通用しないというのが、『ナイツ』を制作する上で最も困難なところではないでしょうか。当時もこのコンセプトでゲームを構築するのに時間がかかりましたし、本作でも苦労した点の1つです。
しかしそのおかげで、他のどのアクションゲームとも違う”爽快感を楽しむ”アクションゲームが実現できたのではないかと思っています。
ゲームの見どころ、オススメプレイ方法、攻略法などを教えてください。
[飯塚]
『ナイツ』というゲームの楽しみ方は1つではないんです。高スコアを目指してテクニックを極める楽しみ方もあれば、A-Lifeを育てて進化を楽しむ遊び方もあります。アクションゲームの得意な人から苦手な人まで、みなさんに楽しんでいただけるような遊びが用意してあるわけです。
そして本作では、そのスコアアタックとA-Life(マイドリーム)が、それぞれネットワークに対応したことで、世界中のプレイヤーを相手にテクニックの極限に挑んだり、無限に広がる「マイドリーム」を行き来したりと、まさにエンドレスで楽しめるようになりました。
高スコアを目指す人へのアドバイスはミッションによって異なるのですが、メインの「チェイスミッション」の場合は、とにかく看守グードルの軌跡をトレースしながら、ダッシュを使って早く捕まえることです。操作に慣れてきたら、アクロバット飛行も併用すると効果的です。 「マイドリーム」を賑やかにしたい人は、それぞれのミッション中にメピアンを作って、パラループで「マイドリーム」に送ると、いろんな種類のA-Lifeが集まってより楽しく賑やかになります。ミッションをクリアすることで「マイドリーム」も変化していきますので、ミッションをプレイすることも忘れないくださいね。

▲チェイスミッションで「グードル」を追うナイツ。限られた時間の中、ナイツを真に解放するために看守グードルを追いかけよう。彼の持っている鍵を奪えば、ナイツを捕らえている牢屋を破壊できる。

▲前作を受け継いだ多彩な飛行アクションも健在。写真はドリルダッシュ中のナイツ。ダッシュボタンを押している間ドリルダッシュ形体に変身し、回転しながら高速で飛行。あらゆるものを弾き飛ばすことができる。
今作の音楽について教えてください。
[飯塚]
音楽については前作ファンの方も期待している要素の1つだと思います。私自身、『ナイツ』の音楽は大好きなので1曲1曲完成するたびに胸が高鳴りました(笑)。今回の楽曲も、前作のスタッフが担当していますし、メインテーマである「Dreams Dreams」はもちろん、新曲のすべてが紛れもなく『ナイツ』の世界観にあった仕上がりになっていますので、サウンド面でも大いに期待して下さい。ドルビープロロジックII対応の環境でプレイされることをお薦めします。
今後の展開、ご予定などを教えてください。
[飯塚]
日本では世界に先駆けて12月13日に発売となりますが、その後おって12月18日にアメリカ、1月には欧州でも発売となります。ワールドランキングや、ネットワークプレイの参加者も、それに合わせて徐々に増えて盛り上がってくると思いますので、是非ネットワークにアクセスしてみてください。それと、サウンドチームこだわりの音楽CD『NiGHTS〜星降る夜の物語〜 オリジナルサウンドトラック』が、1月16日に発売となります。すべてを収録した豪華3枚組のサントラですので、ナイツの音楽を気に入ってくれた方は、是非こちらもご期待ください。
まだ『ナイツ〜星降る夜の物語〜』の開発が終わって間もないので、私自身はまだ次に何を手がけるか具体的な構想はないのですが、まずは発売後にユーザーの方と一緒にネットワークプレイを楽しみたいと思っています。そして次回も、子供から大人まで、世界中の方たちと一緒に遊べるようなタイトルを作っていきたいですね。
読者の皆さんへメッセージをお願いします。
[飯塚]
11年の間、『ナイツ』を待っていて下さった皆さん、本当にお待たせしました。『ナイツ』独特の空を飛ぶ爽快感と夢の世界を、存分に味わえる内容になったと思いますので、11年振りの感動を是非お楽しみください。また、『ナイツ』を知らないという方にも、チュートリアルやヒントを用意して遊びやすい内容になっていますので、ぜひ一度『ナイツ〜星降る夜の物語〜』を体験してみてください。
全世界の皆さんが、『ナイツ〜星降る夜の物語〜』を通じて一緒に遊び、交流し、そして皆さんの夢の中に、ナイツが現れる日が来ることを願っています。